「スタートアップとベンチャーってどう違うの?」
「たまに聞くユニコーン企業って何のこと?」
「資金調達の話に出てくる、ラウンドとかシリーズってどういう意味?」
こんにちは、こじのびです。
近年のテクノロジーの進化やサービスの多様化にともなって、新たなビジネスにチャレンジされる方が増えてきていますよね。
昨年の2018年にはリーマン・ショック後の2009年以来の減少には転じてしまいましたが、ここ数年の「新設法人数」は10万社を超えていて、一昨年の2017年には過去最高の13万社を超えていたそうです。
そんな背景の中、
「大手企業からベンチャー企業への転職」
もしくは
「新たな事業としての起業」
をご検討の30代・40代の皆さんも多いのではないでしょうか?
数年前、僕も同じようにそこそこ長い歴史をもった商社からベンチャー企業に転職をしたんですけど、その当時は
「聞いたことはあるけど良く分かっていない」
なんて言葉がいっぱいありました(^^;)
この記事では、こういった方々に向けた初級編として、基本的な言葉についてご紹介したいと思います!
この記事で分かること。
目次
スタートアップとベンチャーの違い
「スタートアップ」と「ベンチャー」
ほとんどの方がお聞きになられたことがあるこの2つの言葉。
具体的にどのような違いがあるのかご存知ですか?
僕も少し前まではまったく分かっていませんでした(^^;)
なんとなく同じ意味の言葉だと思っていましたし、その時々の流行りか何かなのかな?って程度で思っていました。
まあ、あながち外れでもなかったんですけど、それもそのハズ。
結論からお話しますと、
「どちらも明確な定義や基準はない!」
というのが答えなんだそうです。
「なんだよ、それなら言うなよ!」
って言われそうですが、このように2つの言葉がある以上、それなりに背景や解釈の違いはありますw
ここからは各々について少し掘り下げてご紹介します。
スタートアップとは?
「スタートアップ」とは、Google社やApple社、Facebook社・Intel社などが本社を構えるサンフランシスコの南部、いわゆる「シリコンバレー」で生まれた言葉と言われています。
ちなみにこの「シリコンバレー」という言葉も実在する地名ではなくて、サンノゼ周辺一帯をこう呼ぶのだそうです。
1960年代にシリコンを主な原料とする半導体関連の企業がこのエリアに進出したことからこの名がつ付いたんだとか。
「スタートアップ」という言葉は、「立ち上げ」や「起業」といった意味で使われていることが多く、
「短期間によるイノベーションや新たなビジネスモデルの構築・新たな市場の開拓、を目指す動きや概念」
と表現されている方もいます。
なので、この言葉自体は法人そのものを指す訳ではなくて、その対象となる企業のことを「スタートアップ企業」と言ったりもします。
これらの言葉はその背景から、海外でも通用する言葉です。
ベンチャーとは?
企業に対しては「ベンチャー企業」と言われる場合が一般的で、「スタートアップ」に比べてこちらは日本で生まれた言葉です。
元々「ベンチャー」とは「冒険」という意味で、新規事業へ取り組むことを指す「ベンチャービジネス」という言葉が派生してできた言葉だと言われています。
ちなみにこの「ベンチャービジネス」という言葉は日本ベンチャー学会によって創り出された言葉だそうです。
「ベンチャー企業」とは、
「新しい技術やサービスを中核とした新興企業」
を指すといったところです。
短期的な株の売却によって利益を確定させる「EXIT」を目的としたケースが多い「スタートアップ」に比べると、上場後もそのまま創業メンバーが長期的な経営を目指すといった場合を含むケースが多いようです。
ユニコーン企業
2018年6月に東証マザーズへの上場を果たしたメルカリ社。
実はこのメルカリ社は日本では数少ない「ユニコーン企業」の1社でした。
ではこの「ユニコーン企業」とは何なのかと言うと、
「評価額が10億ドル(約1,200臆円)以上で、まだ上場していない企業」
のことを指します。
ご存知のように、ユニコーンとは額に一本の角が生えている馬に似た伝説の生き物のことですが、そのユニコーンのように
「滅多に出会うことがなく巨額の利益をもたらす可能性」
のある投資家にとって夢のような企業という視点から生まれた言葉です。
もちろん、この評価額というのは投資家やベンチャーキャピタル(venture capital、略してVC)による評価なので、必ずそれに見合った利益を生み出す企業になるかどうかは分かりませんが、それほどの「可能性」や「ポテンシャル」を持っている企業ということになります。
投資ラウンドと資金調達ポイント
企業の評価を行う投資家やベンチャーキャピタル(VC)。
彼らが「企業に対して投資をする段階」を「投資ラウンド」と言います。
逆を言うと、出資を受ける企業側にとっては、「資金調達の段階やフェーズ」のことになります。
スタートアップやベンチャー企業に投資をする代表的な存在がベンチャーキャピタル(VC)なのですが、彼らは利益を最大化させるために
「投資目的を果たしやすい時期」
の会社を見つけて投資を行います。
ここでいう目的とは、株の売却による金銭的な利益の獲得もあれば自社の領域における高いシナジー効果を狙うケースなどがあります。
投資家やベンチャーキャピタル(VC)にとって、各企業がこのような目的にあっているかどうかを分かりやすくするために生まれたのが「投資ラウンド」という考え方・言葉です。
そして、投資側によって多少の違いはあるんですけど、一般的にこの投資・調達の段階は5つのステージに分けられています。
シリーズってなんだ?
投資ラウンドでは一般的に5つのステージがあり、各ステージにおける事業の段階や調達金額の目安は以下のとおりです。
投資ラウンド | 段階 | 投資相場(単位:円) |
シード | 起業前段階 | 数100万程度 |
アーリー | 起業直後の段階 | 数100万~1,000万程度 |
シリーズA (エクスパンション) |
顧客が増え始める成長段階 | 1,000万~3,000万程度 |
シリーズB (グロース) |
経営が軌道に乗り安定化する段階 | 数億~10億程度 |
シリーズC (レイター) |
黒字経営が安定化する段階 | 数億~10億以上 |
シード
ビジネスモデルは決まってはいるものの、起業もまだでサービスや商品がリリースされる前の段階です。
調達金額はそれほど高くはなくて、数100万円程度が多いようです。
調達した資金は研究開発や会社設立のために使われます。
アーリー
起業直後の段階です。
シードとも近しい状況なので、この段階をカウントしない場合もあります。
市場が確保できているケースは少なくて、ビジネスに着手はしているものの赤字経営の企業がほとんどです。
調達金額は数100万円から1,000万円程度です。
シリーズA
事業が本格的に動き始めてサービスや商品の認知が始まり、ビジネスが軌道に乗り始める成長段階です。
顧客が増え始める段階でもあります。
とはいえ、事業が軌道に乗り始めてはいるものの、まだまだコストに見合う収益が十分に確保できていない段階ではあるため、採用や設備投資のための調達が必要となります。
ベンチャーキャピタル(VC)からの出資が得られやすくなる段階で、調達金額は1,000万円~3,000万円程度となります。
この段階で億単位の調達を行うケースも増えています。
シリーズB
経営が軌道に乗って安定化し、十分な市場を確保することにより収益が伸びる段階です。
ビジネスモデルの検証はほぼ終わり事業の拡大を目指していく段階となるため、ベンチャーキャピタル(VC)からはIPO(上場)の見込みがある企業として注目度が高まります。
調達金額は数億円~10億円程度になりますので、複数のベンチャーキャピタル等からの調達が発生するケースが多いです。
シリーズC
十分な売り上げや利益が確保できており黒字経営が安定化する段階です。
この段階になるとスタートアップの最終段階の一つであるIPO(上場)やM&Aを目指すことになります。
ビジネスのさらなる飛躍に向けて大規模な資金調達が必要となってきますので、調達金額は10億円を超えるケースも出てきます。
最後に
いかがでしたでしょうか?
今回は、起業や転職を視野にいれておられる方だけでなく、本格的な投資を検討されてる方々にとっても改めて知っておいていただきたい基本的な言葉についてご紹介いたしました。
現在は、銀行の金利も低くグローバルで見ても投資先が少ない「お金が余っている状態」だと言われています。
僕みたいな庶民にとってはピンとこないお話ではありますが、ちょっとしたビジネスのネタに対しても、お金は集まりやすくチャレンジがしやすい世の中ではあるようですね。
この記事が皆さんの新たな一歩のお役にたてば幸いです。
最後までお読みいただきましてありがとうございました!
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