厳しい環境や選考を乗り越え、ながい転職活動の先にようやくつかみ取った「内定通知」。
少しの不安と大きな期待をもって新たな職場での一歩を踏み出した転職者にとっては、少しでも早く結果を出したいという気持ちが心の底にあるものです。

その気持ちはとても大切ですが、どれだけ希望の条件にあった会社に転職をしたとしても、その後のあなたの心の持ち方次第では、その転職は「失敗」に終わってしまう可能性があります。
特に、30代や40代のキャリア組の転職ともなると、即戦力を期待されるだけでなく、組織の活性化や仕組み・制度の改善に対する期待値も大きいかと思います。
もちろんそういった期待に応えるために積極的な提案や実行を進めていくことは良いことではありますが、残念ながら立ち位置の誤認や間違ったアウトプットを続けてしまうことも多いようです。
そしてその状況を続けてしまうことで、結果的にその組織の中での居場所をなくしてしまい、次の職場を探さなければならない状況に自分を追い込んでしまうことになります。
この記事ではそういった転職後に陥りがちな行動についてご紹介いたします。
目次
あなたがいなくても組織はまわる
あなたの転職に対して、組織の経営者や所属部門の責任者は大きな期待を抱いていることに間違いはありません。
現状の課題の打破や今後の成長ドライブとしてあなたの知識や経験に基づいた貢献を大いに期待していることとは思いますが、改めてしっかりと認識をしておくべきことがあります。
それは、すでにその職場には人や組織が存在していて、「業務は回っている」のだということです。
もう少し端的な言葉で表現するとすれば、あなたはその職場では現時点では「不可欠な人財ではない」ということなのです。
採用時には企業側から様々な期待を伝えられ、意気揚々と入社をするケースがほとんどですので、「自分がすべてを良くしてやるのだ!」といった思いや気概を持つことでしょう。
もちろんそのような思いや覚悟は大切ですが、現在地をしっかりと認識することによってその状況に合わせた行動をとることは本当に大切です。
この記事では、そういった認識の足りなさからついつい陥りがちな「嫌われる行動5選」についてご紹介いたします。
転職先で嫌われる行動5選
過去の実績を必要以上にアピールする
あなたを受け入れる企業や職場の方々にとって、あなたは「新参者」です。
これまでどれだけの実績や経験を積んできたとしても、残念ながら転職先ではまだ何の実績もなく、自分の能力を示すことができる引き出しはありません。
もちろんこれは致し方のないことではあるのですが、やはり誰しも自分自身の力をアピールしたくなるものですし、下世話な言い方をすれば「ナメられたくない」という思いがあるものです。
しかしながら、ここで気を付けなければいけない点は、こんな思いが強すぎるためについつい「必要以上に」過去の実績を語ってしまうということです。
自慢話をしている訳ではないとは思うのですが、事あるごとに自分をアピールしようとするあまり、事あるごとに過去の実績や成功体験を話したがるキャリア組が意外と多いです。
「適度」な権威性を示すことは信頼感や安心感を与えることにはつながりますが、転職先での実績が伴っていない段階であまりそのような権威性をアピールしすぎると、周りの人たちの中にはこんな気持ちが芽生えてきます。
「過去の話は分かったから、結果で示してよ。」
言われてみると当たり前のことですが、実績や経験に自信がある方ほど陥りやすい落とし穴ですので気を付けましょう。
職場への不満が多い
新たな職場では必ずと言ってよいほど、改善すべき点が見つかるものです。
既存の社員や経営者にとってはついつい現状に盲目的になっているという認識があるため、「問題や改善点があればどんどん言ってください。」といったような本心からのお声がけも多いでしょう。
しかし、ここで気を付けなければいけないことがあります。
既存の方々が期待していることは、課題を見つけた上で「改善策」を提示・実行することであって、あなたの不満を聞きたいと言っている訳ではないということです。
不満や現実離れした改善案を話すことは誰にでもできます。
新たな視点を持っているあなたに期待されていることは何なのか、ということを改めて意識することが大切です。
悪意を持って前職と比較する
何かの課題を解決する際に、具体的な例をあげて改善策を提示することはとても有効な手段です。
具体例を示すことで受け手にとってはその施策の内容や実施後の形がイメージしやすくなりますので、実現性や具体的なアクションが見えやすいといったメリットがあります。
しかし、この「具体例」にも使い方への注意が必要です。
転職組にとって、その組織とは違った組織(企業)を知っていることは大きな財産です。過去の環境や経験と照らし合わせることで、目の前に見えている課題のポイントや改善策が示しやすくなることは間違いありませんが、現在を否定するような伝え方は極力控えましょう。
「この会社はここが全然できていません。だからダメなんです。」
こんな伝え方のあとに、前職の良い点ばかりを並び立ててしまうと、逆の立場としてその発言を聞いている方々はどのように感じるでしょうか?
「前職がそんなに良かったのなら、そこに居れば良かったんじゃないの?」
そんな声が聞こえてきそうですよね。
言われてみれば当たり前のことなのですが、こちらも転職者が陥りがちな嫌われる行動です。改めてご自身の伝え方や表現が適切かどうか、しっかりと見直しておくことをおススメします。
出来ないことをできると言い続ける
転職活動においては等身大の自分をアピールすることが基本ではありますが、時には知識やスキルをある程度誇張したりすることはやむを得ないことではあります。
しかし、入社後の姿勢としてはやはり、自分の等身大にしっかりと向き合って真摯な姿勢で業務に臨むべきです。
仮にどれほどの実績や経験をお持ちであったとしても、転職先の企業における仕事の進め方や必要となる知識やスキルは必ず違います。そのような環境をうまく利用しながら、決して誇張した箇所の背伸びを続けることはせず、改めてしっかりと学ぶ姿勢で業務に臨むことを心がけましょう。
少し極端な表現にはなりますが、「嘘のうわ塗り」には必ず限界があります。
入社時のギャップ解消は早いに越したことはありません。間違っても「嘘のうわ塗り」で自分を追い込むことだけは避けましょう。
仲間意識を持とうとしない
30代や40代での転職ともなると、幹部候補としての採用であったりマネジメントポジションのとしての採用であったりといったケースも多いのではないでしょうか?
もちろんそのような場合だけではなく、どのようなポジションでの採用であったとしても既存のメンバーよりも高い視座を意識して期待された価値を提供する努力は行うべきです。
とはいえ、これはあくまでもご自身の中での意識の話であって、環境としてはどんな立場であれ職場でともに働く方々は未来を分かち合う大切なパートナーであり仲間です。
必要以上のプライドや権威性を誇張したり、過度の壁を作ることは、結果的に自分の居場所を失くしてしまうことに繋がります。そして、このような行動は、特に、過去に大手の会社に勤めていたり、それなりのステータスや役職をもっていた方が陥りがちな落とし穴です。
時には自分の目線を少し下げることによって課題感や価値観を共有することも大切です。
「自分はレベルが違うから。」
そんな姿勢や態度を続けると、いずれ職場での居場所を失ってしまうことになりせっかく巡り合ったあなたに合った転職先を失う羽目にあってしまいます。
まとめ
日本の景気のトレンドや世界的に猛威を振るった新型コロナウイルスの影響により、今後の転職市場は益々厳しさを増していくことは間違いありません。
そのような厳しい環境の中で出会い、採用の意思を示してもらえる企業はあなたにとって本当に大切な企業と言えます。
とはいえ、「転職」はあくまでも手段であり新たな活躍の場を得た段階に過ぎません。
せっかく勝ち取った新たな活躍の場をご自身の不注意で失ってしまわないように、改めてこのような「嫌われる」行動に気を付け、襟を正す姿勢を忘れないように心がけていただきたいと思います。
この記事が皆さんの素晴らしい転職のお役に立てれば幸いです。
最後までお読みいただきましてありがとうございました。
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